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Special Interview ?卒業生?在学生?教職員に聴きました?

国際女性デー関連企画

ALicE室長 田中真美教授インタビュー

3月8日は「国際女性デー」でした。女性の地位向上のために奮闘してきた方々やその功績を称える日とのことで、東北大学の女性研究者支援についてご紹介します!

前回は一時託児室「ずんだぬきっずるーむ」の紹介をしました。

今回は、「ずんだぬきっずるーむ」を管理?運営するALicE(東北大学工学系女性研究者育成支援推進室)の室長である田中真美教授にお話を聞きました。(聞き手は学生広報スタッフの小滝)

田中先生(左)と小滝(右)

ー 先生が研究者としての道を進み始めた当初の「女性研究者」の立ち位置は

当時は多くの女性が専業主婦の道を選んでいたこともあり、重要な場面で「男性の先生を出してくれ」と言われたり、若い頃は特に「いつ結婚するの」「いつ辞めるの」と冗談交じりに言われたりすることがありましたね。

ー それでも先生は研究を続けてきたが、工学に興味をもったきっかけは

ものづくりが昔から好きだったんです。小さい頃は鉄工所などの町工場も多くて、ものづくりの現場を目の当たりにする機会が多かったので、自分もいろいろ作ってみたいと思って、大学では工学部を選びました。

ー 2023年からは「DEI推進センター長」として活動されているが、その経緯は

「男女共同参画委員会」は2001年には設置されていて、当時から委員として男女共同参画推進などに携わってきていました。2014年に「DEI推進センター」の前身である「男女共同参画推進センター」ができて、センター長を大隅典子先生(本学副学長)、副センター長を私が務めていましたが、取り組むべき課題が多く、できることをどんどん増やしていこうという話になったんです。当時、大隅先生は「男女共同参画委員会」の委員長も兼任していたので、大隅先生を委員長、私はセンター長として両輪で走らせて、よりスピード感を出していこうということになりました。

それに合わせて、「男女共同参画委員会」が「DEI推進委員会」、「男女共同参画推進センター」が「DEI推進センター」へ改組されました。

ー 実際に活動する中で感じた変化は

私が入学した平成元年に比べて、女子トイレが増えて充実してきたというのが大きな変化ですね。あと、当時は女子学生が工学部全体で3%(900人中27人)しかいなかったのですが、今は10%を超えてきて、キャンパス内を歩いていても女子学生が増えてきたように感じます。

また、複雑な社会になってきたことで「男女」という区切りに限らず多様な方が十分に活躍できるようにしていかなきゃいけないと感じるようになって、女性が活躍できないという問題は、あくまでその1つと捉えるようになりました。

ALicEとしての活動

ー ALicEは全国各地の高校で出張講義などを行っているとのことですが

「工学」って全ての分野に関わって人々の生活を支えているので、医学や歯学より学問として見えにくいんですね。だからまずは工学や女性研究者などの魅力を知ってもらいたいと思って活動をしています。最近は高校に案内も出していて、講演依頼が来たら随時伺っています。

ー 最近は理系に進む女性が増えてきているように感じます

そうですね。女子枠を設ける大学もあって、女性ならではの視点が求められています。よく言われているのが、車や薬などは成人男性を基準に作られているので、女性にとって不便な点が多いということです。イノベーションを起こすには多様な視点が必要なんですね。

ー この「ずんだぬきっずるーむ」も女性研究者支援の活動の一環

この建物はもともと宿泊施設だったのですが、シャワーもトイレもあるのに会議室にリフォームするという話が出ており、設備を生かせないのももったいないですし、設置当時は学内のみどり保育園がなかったので、「託児室にするのはどうか」と提案しました。無事快諾されて、当時の事務補佐員と一緒に一生懸命リフォームしました。

ー こだわった点は

「ずんだぬき」をイメージして、黄緑色で統一したところです。
 あとは「ダンブロック」というおもちゃですね。震災のときに段ボールのベッドが活躍したのですが、その会社さんが作っているものをいただきました。

黄緑色で統一された「ずんだぬきっずるーむ」

前回も紹介した「ダンブロック」

ー 今後の目標や展望は

女子学生さんに「かわいい」というところから工学部に興味をもってもらって活躍してほしいですね。現在工学研究科では『工学研究科DEI推進プロジェクト』が進められて、女性教員を積極的に採用しているのですが、ALicEはこのプロジェクトにも協力しています。ロールモデルが増えたことで研究者を目指す学生も増えると思うので、ALicEも一緒になって女性研究者の支援をしていきたいです。

また、複雑な社会になってきているので、女性に限らず、育児や介護をしている男性や性の多様性で困っている方なども含めて支援を行い、活躍してほしいというのが希望ですね。

2回にわたって、一時託児室「ずんだぬきっずるーむ」を含む東北大学の女性研究者支援に関して紹介しました。女性を含め、様々な人がよりよく生きていくためにはどうすればよいのか考えるきっかけになれば幸いです。

田中先生、ALicEの山本さん、ご協力ありがとうございました!

文?写真:学生広報スタッフ 小滝 真悠
総務企画部広報室

協力:東北大学工学系女性研究者育成支援推進室(ALicE)

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問い合わせ先

東北大学総務企画部広報室
Email:koho*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

学生広報スタッフページ
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