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STT-MRAMの車載応用を可能にする高速かつ高信頼な微細磁気トンネル接合(MTJ)素子の実証動作に成功 ~IoT?AI分野から車載分野までのSTT-MRAMの応用領域拡大に道を拓く~

【発表のポイント】

  • 界面磁気異方性を増加させる4重界面磁気トンネル接合素子(Quad-MTJ)において、STT-MRAMとして必要な高速動作実証とデータ書き換え信頼性の確認に世界で初めて成功
  • 4重界面磁気トンネル接合素子(Quad-MTJ)の材料?デバイス技術の開発により、工業製品化されている従来の2重界面磁気トンネル接合素子(Double-MTJ)では困難であった車載スペックでの10年以上のデータ保持特性を維持しながら、1)10ナノ秒(ns)の高速書き込み動作と、2)21%の低消費電力動作と、3)1011回以上の高書込み耐性の同時達成を世界で初めて実証
  • データ保持vs.高速動作vs.ローパワー動作vs.高書き換え耐性のジレンマを解決し、STT-MRAMの応用領域をローエンド(IoT等)市場からハイエンド(AI等)市場までの拡大に道筋

【概要】

スピントロニクス技術をメモリからロジックへと展開する研究開発が加速されており、IoT?AI分野におけるアプリケーションプロセッサの演算性能と消費電力のジレンマを解決することが期待されています。東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センターの遠藤哲郎センター長?教授※のグループは、新しい4重界面磁気トンネル接合素子(Quad-MTJ)とその製造技術を開発し、STT-MRAMとして必要な高速動作実証とデータ書き換え信頼性の確認に世界で初めて成功しました。そして、工業製品化されている従来の2重界面磁気トンネル接合素子(Double-MTJ)では困難であった車載スペックでの10年以上のデータ保持特性を維持しながら、1)10ナノ秒(ns)の高速書き込み動作と、2)21%の低消費電力動作と、3)1011回以上の高書込み耐性の同時達成を世界で初めて実証しました。この成果は、STT-MRAMの市場拡大を阻害している課題であるデータ保持特性vs.書き込み速度vas.低消費電力動作vs.高書き換え耐性のジレンマを大きく解決できたことを示すものです。

これにより、STT-MRAMの応用領域をIoTシステム等のローエンド市場からAIシステム等のハイエンド市場まで拡大することが可能となり、IoTやAI分野でのアプリケーションプロセッサ等での活用によりSociety5.0実現への貢献に期待されます。

本成果は、2020年6月14日~19日の期間開催される、半導体超大規模集積回路に関する国際会議である「2020 Symposia on VLSI Technology and Circuits」で発表されました。

※以下の職を兼務:東北大学大学院工学研究科教授、電気通信研究所教授、先端スピントロニクス研究センター(世界トップレベル研究拠点)副センター長、スピントロニクス学術連携研究教育センター領域長

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問い合わせ先

(研究内容及びセンターの活動に関して)
東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センター
センター長?教授 遠藤哲郎
TEL:022-796-3410

(その他の事項について)
東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センター
支援室長  高橋嘉典
TEL:022-796-3410
FAX:022-796-3432
E-mail:support-office*cies.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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