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炭素質小惑星(162173)リュウグウの試料中の可溶性有機分子

【本学研究者情報】

〇大学院理学研究科地学専攻 教授 中村智樹
研究室ウェブサイト

〇大学院理学研究科地学専攻 准教授 古川善博
研究者ウェブサイト

【概要】

 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)では小惑星リュウグウ試料分析を、6つのサブチームからなる「はやぶさ2初期分析チーム」および、2つの「Phase-2キュレーション機関」にて進めています。

 この度「はやぶさ2初期分析チーム」のうち「可溶性有機物分析チーム」の研究成果をまとめた論文が、アメリカの科学誌「Science」に2023年2月24日付(日本時間)で掲載されましたのでお知らせします。

 小惑星探査機「はやぶさ2」により2020年12月6日に地球へ帰還したリュウグウ試料は、JAXA宇宙科学研究所に設置された施設において、初期記載(Phase-1キュレーション)が行われました。試料の一部が、6つのサブチームからなる「はやぶさ2初期分析チーム」と2つの「Phase-2キュレーション機関」へ分配されました。初期分析チームは「はやぶさ2」の科学目的達成のために専門サブチームが分担して、計画された高精度分析により、試料の多面的価値を明らかにします。Phase-2キュレーション機関はそれぞれの特徴である総合分析に基づき、個々の「はやぶさ2粒子」カタログを作成すると同時に、粒子の特性に応じた測定?分析により、「はやぶさ2粒子」がもつ潜在的価値を明らかにしていきます。

なお、初期分析の6つのチーム、Phase-2キュレーション機関からの報告は、論文としての成果が公表されるタイミングで、個別にお知らせしてまいりました。 また、あらためて「はやぶさ2」サイエンス全体の総括をご説明する予定です。

?JAXA, University of Tokyo, Kochi University, Rikkyo University, Nagoya University, Chiba Institute of Technology, Meiji University, University of Aizu, AIST, NASA, Dan Gallagher.
図1 小惑星リュウグウの表面試料から見つかった有機分子の概念図

詳細(プレスリリース本文)PDF

*「はやぶさ2初期分析チーム」の【石の物質分析チーム】は東北大学大学院理学研究科の中村智樹教授がチームリーダーを担当されています。
 「はやぶさ2初期分析チーム」につきましては、既出のプレスリリースをご覧ください。

?「はやぶさ2」初期分析チーム
 2021年6月より試料の分析開始(https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20210513-11586.html

?リュウグウはイヴナ型炭素質隕石でできている
https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20220610-12128.html

?炭素質小惑星リュウグウの形成と進化:リターンサンプルから得た証拠
https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20220926-12281.html

?小惑星リュウグウ試料の希ガスおよび窒素同位体組成―リュウグウ揮発性物質の起源と表層物質進化―
https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20221021-12313.html

?「はやぶさ2」ミッションによる世界初の小惑星からのガスサンプル:リュウグウからのたまて箱
https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20221021-12314.html

?日焼けで隠された水に富む小惑星リュウグウの素顔
https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20221220-12416.html

?小惑星リュウグウの石から太陽系最初期にできた可能性のある物質を発見 ─原始太陽系星雲内側で形成し、太陽から遠いリュウグウ母天体まで運ばれたか─
https://www.sci.tohoku.ac.jp/news/20230217-12499.html

問い合わせ先

<研究内容について>

東北大学大学院理学研究科地学専攻
教授 中村 智樹(なかむら ともき)
電話: 022-795-6651
E-mail:tomoki.nakamura.a8*tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

<報道関係のお問い合わせ>
東北大学大学院理学研究科広報?アウトリーチ支援室
E-mail:sci-pr*mail.sci.tohoku.ac.jp
(*を@に置き換えてください)

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