本文へ
ここから本文です

ドラッグリポジショニング:既存薬の新たな作用 -かぜ薬や抗菌薬がフェロトーシスを抑えて腎障害や肝障害を軽減する-

【発表のポイント】

  • フェロトーシス注1は脂質の過酸化が誘因となって引き起こされる細胞死注2の一種で、近年、急性臓器障害や神経変性疾患などへの関与が注目されている。
  • かぜ薬や抗菌薬など一般的に使用される薬の中からフェロトーシスを抑制する作用を秘めている様々な薬剤を発見した。
  • これらの薬は腎臓や肝臓の組織障害を抑える効果を示し、フェロトーシスが関わる種々の病気の治療薬へと応用できると期待される。

【概要】

フェロトーシスは細胞死の一種で、脂質の過酸化が誘因となって引き起こされます。フェロトーシスは、急性臓器障害や神経変性疾患など様々な疾患に関わることが知られており、フェロトーシスを抑制する薬剤はこれら疾患の治療薬となることが期待されています。東北大学大学院医学系研究科 腎高血圧内分泌学分野の三島英換(みしま えいかん)院内講師、東北大学大学院医工学研究科の阿部高明(あべ たかあき)教授らは、東北大学大学院農学研究科 仲川清隆(なかがわ きよたか)教授、九州大学大学院薬学研究院 山田健一(やまだ けんいち)教授のグループとともに、かぜ薬の成分でもあるプロメタジンや抗菌薬であるリファンピシンなどの様々な既存薬が、フェロトーシスを抑制する作用を有していることを見つけ、急性腎障害や肝障害のモデルマウスで症状を軽減する効果があることを明らかにしました。本研究は、フェロトーシスが関わる様々な疾患の治療薬の開発や応用へと発展することが期待されます。

本研究成果は、2019年11月26日午後5時(現地時間、日本時間11月27日午前7時)米国腎臓学会誌Journal of the American Society of Nephrology(電子版)に掲載されました。

図1. 薬剤によって誘導されたフェロトーシスは、胃薬や抗菌薬などの様々な既存薬によって抑えられた。

【用語解説】

注1. フェロトーシス (Ferroptosis):2012年に新たに提唱されたアポトーシスとは異なる細胞死の形の一つ。脂質の過酸化と鉄の存在が重要な役割を果たすことが明らかとなっている。

注2. 細胞死:不要な細胞の計画的(予定?プログラムされた)な自死。組織の損傷などによる壊死(ネクローシス)とは異なり、積極的に誘導されたもの。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

(研究に関すること)
東北大学大学院医学系研究科 腎?高血圧?内分泌学分野
院内講師 三島 英換 (みしま えいかん)
東北大学大学院医工学研究科
教授 阿部 高明 (あべ たかあき)
電話番号:022-717-7163
FAX番号:022-717-7168
Eメール:eikan*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
takaabe*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

(取材に関すること)
東北大学大学院医学系研究科?医学部広報室
電話番号:022-717-7891
FAX番号:022-717-8187
Eメール:pr-office*med.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

このページの先頭へ