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実用的な電子ホログラフィ立体表示の液晶基盤技術を開発 ~5Gなどの通信?放送の高臨場感映像サービスに期待~

【発表のポイント】

  • 実用的な電子ホログラフィ立体表示には1ミクロンピッチの超高解像度化が必要
  • 画素を区切る微小な高分子隔壁を形成して独立駆動を可能にし、液晶領域を異方性化することで液晶分子の初期配列を均一化することに成功
  • 液晶の立体表示では成熟した製造技術が利用でき、幅広い用途が期待される

【概要】

東北大学大学院工学研究科電子工学専攻の藤掛英夫教授、博士課程後期3年の磯前慶友氏(日本学術振興会特別研究員)、石鍋隆宏准教授、柴田陽生助教の研究グループは、立体像のデスクトップ表示や拡張/仮想現実感技術に実用的な視域角30度のホログラフィ立体表示を実現するため、1ミクロンピッチの超高解像度画素において、液晶分子の並びを面内で均一化することに成功しました(画素の隔壁の作製協力:大日本印刷(株))。

液晶ディスプレイを用いて、視域角が広く実用的な電子ホログラフィ立体表示を実現するためには、1ミクロンピッチの微小画素の光変調素子が必要となりますが、隣接画素からの漏れ電界や液晶分子配列の連続性により画素の駆動が困難でした。そこで画素間に樹脂の隔壁を、型押し加工(光ナノインプリント法)により高精度に形成して独立駆動を可能にするとともに、微小な間仕切りを挿入して液晶領域を長方形にすることで、乱れやすい画素内の液晶配列を長軸方向に制御することに成功しました(図1)。液晶の均一な初期配列が実現されたことで、これまで困難とされてきた超高解像度の画素駆動が可能になります。

液晶を用いた電子ホログラフィは、自然で疲労が生じないデスクトップの裸眼立体表示や拡張/仮想現実感技術に有用で、5Gなどの通信?放送の高臨場感映像サービス、医療診断支援、工業製品設計、車載用ヘッドアップディスプレイ、アミューズメントなど幅広い応用展開が期待できます。

上記の成果は、2019年3月29日に米国情報ディスプレイ学会誌「The Journal of the Society for Information Display」のオンライン版Early Viewにおいて、BEST OF DISPLAY WEEK 2019の論文として掲載されました(DOI: 10.1002/jsid.773)。

図1
左図は1ミクロンピッチ微小画素を区切る高分子の隔壁(厚い壁)と、画素内を区切る間仕切り(薄い壁)の電子顕微鏡断面観察。隔壁と間仕切りで区切られた液晶領域は長方形となる。
右図は液晶が充填されて分子配列が均一化された光変調素子面の偏光顕微鏡写真。高分子の壁で挟まれた液晶の分子が一様な方向に配列しているため、異なる角度の直交偏光板間で明瞭な明暗のコントラストが得られている。

詳細(プレスリリース本文)PDF

問い合わせ先

●研究内容に関して
東北大学大学院工学研究科 電子工学専攻
教授 藤掛 英夫
TEL: 022-795-7117
Email: fujikake*ecei.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

●報道に関して
東北大学工学研究科情報広報室
担当 沼澤 みどり
TEL: 022-795-5898
Email: eng-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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