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音が「見せる」映像の動き -高臨場感マルチメディア技術?感覚代行技術の開発につながる成果-

腹話術師は,人形を巧みに使い,実際には腹話術師がしゃべっているにもかかわらず,あたかも人形がしゃべっているような効果を生じさせます。この腹話術効果に代表されるように,映像(視覚情報)が,音の聞こえてくる場所という聴覚の判断(聞こえ)に強い影響を与える現象は,他にも過去いくつか報告されています。それに対し,東北大学および独立行政法人産業技術総合研究所(以下「産総研」という)らの研究グループは,音によって実際には静止した映像が動いて見えることを明らかにしました。これは,音(聴覚情報)が,映像の動きという見え方に強い影響を与えうることを世界に先駆けて見いだしたものです。

この研究では,一定の位置で点滅する映像(白い棒)と同時にヘッドホンから左右の耳に交互に音を呈示すると,その映像が音に同期して左右に動いているように見えることを発見しました。また,視野の周辺で映像がはっきりと見えにくくなるほど,また映像と音の呈示タイミングが一致しているほど,音の影響が強く現れることも見いだしました。この研究成果は,見たものと聞いたもののように異なった感覚器官からの情報を脳が統合するメカニズム(いわゆる異種感覚間統合メカニズム)に関する発見です。この研究成果によって,今後,脳における異種感覚間統合メカニズムの研究や異種感覚間統合を利用した高臨場感マルチメディア技術開発を大幅に加速することができると考えられます。本研究成果は,米国の自然科学系オンライン学術誌 Public Library of Science (PLoS) ONE(2009年12月7日)に掲載されます。

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